ごあいさつ/ Greeting
4年半の会社勤務の後に特許業界に身を投じて以来、早40年以上が経過しました。その間、内外の特許の権利化業務を主として、内外の未然の又は事後の紛争解決業務としての特許異議申立、無効審判、訂正審判、審決取消訴訟、又は侵害訴訟、並びにライセンス業務及びコンサルティング業務等にも携わって参りました。
ここ15年は、中小企業の内外の特許・意匠・商標を含む権利化業務、紛争解決業務及びコンサルティング業務が中心となっています。ワンストップサービスが求められる中小企業では、企業の一員として知財戦略の構築及び遂行が求められ、特許一つ一つの重要性が、そのまま責任の重大性に直結していることを、身をもって感じています。
幅広い知識や経験が求められる知財人材にとって、OJT以外でも知識の吸収は避けられません。日本弁理士会での特定侵害訴訟代理業務の研修や、出願権利化業務外にウイングを広げる知財ビジネスアカデミーの研修の創設に関わったことを契機として、様々な社会人教育の受講や教育に参加しました。その間、日本弁理士会の研修以外の会務にも積極的に関わりました。そこで得られた人脈こそが大きな価値であり、仕事だけでは得られなかった幅広い知識や経験、時には息抜きを供与してくれたことに感謝しなければなりません。
研究開発の成果であり、事業の参入障壁を構築するための特許出願の数が、2000年以降の20年間以上減り続けていることを危惧しています。弁理士一人、一つの特許事務所でできることには限界がありますが、日本企業が底力を発揮するための黒子として、企業の知財戦略の遂行に関わり続ける所存です。